シーリング材の打替え工事について


    建物には水密・機密材として、いたる所にシーリング材が使用されています。表面に
    見える化粧シーリングや塗装材で被覆されている隠蔽シーリングもあり、それぞれの
    目的に合わせて種類も使い分けされています。シーリング材は紫外線、温度や水分
    などの影響を直接長期間受けるため、本来の機能維持には厳しい条件下にあります。
    建築物の目地は部材の伸縮や地震力により常に動きが生じ、シーリング材はそれ
    ぞれの動きに追従することで防水機能を維持しています。


  シーリング材の劣化
    シーリング材は施工後も長期にわたり弾性体であり、建築目地のムーブメントに追従
    していますが、経年劣化によりシーリング材自体が硬化してきます。硬化したシーリング
    材は建築部材のムーブメントに追従できずに接着面に亀裂が入り、水密・機密性能が
    低下して漏水の原因となります。
    またシーリング材には、柔軟性を付与する目的で可塑剤が添加されています。
    その可塑剤がシーリング材表面に移行して、被覆塗材を変質させたり空気中の粉塵が
    付着して目地の表面を汚染します。





  「既設シーリング材の撤去」

                                
   外壁の既設シーリング材を撤去し、新規
   打替えをします。シーリング材の打替えは
   12年〜13年程度。


  「プライマーの塗布」

                            
   打設目地の清掃後、シーリング材の
   付着をよくするためにプライマーを塗布
   します。
   接着面に既設材料が残っていないか
   良く調べる必要が有ります。


  「シーリング材の打設」

                               
   マスキングテープ養生をして、通り良く
   シーリング材を充填します。
   ムービング目地にはバックアップ材を
   入れて2面接着とします。


  「化粧目地のシーリング材打替え」

                               
   タイル化粧目地や、コンクリート打継ぎ
   化粧目地のシーリング材も打替えます。
   タイル目地の施工不良は、タイルの浮き
   や剥離につながり注意が必要です。


  「小庇入隅部のシーリング打設」

                                
   窓小庇等の入隅部は、水はけが悪く
   鉄筋腐食が発生しやすく危険です。
   新築時にシールの無い場合でも新規
   シーリングを検討して下さい。


  「サッシ廻りシール打替え」

                                
   サッシ廻りのシーリング材も打替えます。
   異質材の目地シーリングは切れやすく
   注意が必要です。


  「エキスパンション金物シール打替え」

                                
   エキスパンションジョイント金物のシーリング
   材も打替えます。漏水原因の確認が難しい
   場所でもあり、硬化劣化前でも打替えを進
   めます。


  「支柱の根巻きシール打替え」

                                
   手摺支柱等の埋め込み部は、躯体に水が
   浸透しやすく爆裂の原因となります。
   新築時に打設されていなくても、修繕項目
   に入れるべきです。


  「各種ブラケット廻りシール打替え」

                                
   ブラケットや換気金物等のシーリングも打替
   えます。小さな金物廻りにもシーリング材は
   多々あります。