屋上・バルコニー等防水工事について


   屋上防水
     屋上防水には数種の工法がありますが、一般的なアスファルト防水とシート防水について
     検討します。

      1)アスファルト防水     保守程度により劣化度に差が出ますが、一般的に15年〜17年
                      程度で全面張り替えと言われています。劣化はジョイント部シール
                      切れや、防水層の亀裂による膨れ等の現象が表れ、軒裏や最上
                      階などに水漏れが発生します。

      2)シート防水        シート材料は数種類ありますが、12年〜15年で全面張替えが多
                      いようです。ジョイント部のめくれ、シール切れによる水枕現象や
                      ドレン廻りのシール切れによる漏水が発生します。


   バルコニー防水
     バルコニー床は、モルタル防水や塗膜防水が多く施工されています。バルコニーは使用頻度
     が多く劣化も速く進みますが、補修工事が困難で大規模修繕時の工事となります。

      1)モルタル防水       モルタルの浮きや目地シール切れ部から水が廻り、下階のバルコ
                      ニーの天井塗膜の剥離原因となります。幅木部からの漏水は居室
                      床下への浸水にもつながります。

      2)塗膜防水         歩行による磨耗、クーラー架台下の劣化やキズによるメクレ等に
                      より漏水が発生します。バルコニー床版への浸水は鉄筋腐食原因
                      になり大変危険です。またトップコートも剥離し、防水材自体の劣化
                      も進行して来ます。


   共用廊下の防水
     共用廊下の床防水は、バルコニーと同様に仕上げられています。最近は長尺シートによる防水
     も多く、また改修工事でシート防水を施工するマンションも大変多くなっています。

      1)モルタル防水       バルコニーと同じ

      2)塗膜防水          バルコニーと同じ

      3)長尺シート防水      シートジョイント部の亀裂や、端部のシール劣化部からの浸水に
                       よりシートの剥離やメクレが起こり、漏水の原因となります。
                       共用廊下は目視による調査も可能ですので、年に一度ぐらいは
                       役員による調査を行って下さい。特に排水溝の塗膜防水部や
                       シート取合い部のシール切れやメクレに注意して下さい。




  「アスファルト防水膨れ補修 」

                                  
   アスファルト防水層の上に、シート防水を
   全面重ね張り補修をします。
   シート防水の敷設前に下地となるアスファ
   ルト防水の膨れや、亀裂部を補修してから
   敷き込み作業を行います。


  「防水立ち上り部の亀裂 」

                                  
   パラペット取り合い入隅部の劣化により
   防水材に亀裂が入り、最上階のバルコ
   ニー天井に漏水跡がみられる。


  「シート防水の敷設」

                                  
   アスファルト防水の劣化部を補修して
   新設シート防水を敷込みます。
   パラペット立ち上がり部の、下地補修は
   入念に行います。


  「シート防水のトップコート剥離」

                                   
   防水材の紫外線や直射からの保護の為に
   トップコート塗装をしていましたが、全面にわ

   たり剥離しています。トップコートは5年以内
   の再塗装が必要です。


  「シート防水の膨れ」

                                  
    シート防水のジョイント切れや亀裂部より
   水が入り、表面が膨れて水枕状態になり
   漏水につながります。最上階の居室天井
   に染みやカビ跡が多々認められました。


  「バルコニー塗膜防水下地補修 」

                                  
   塗膜防水の施工前に、既設目地シールの
   打替えやケレン清掃等をしてから、防水
   工事を行います。


  「バルコニーの塗膜防水 」
                                  
   下地補修完了後に、ウレタン塗膜防水材の
   塗布。工程はプライマー、ウレタン一中塗り
   ウレタン上塗り、トップコート塗装の4工程で
   仕上げ厚は約2mmです。5年以内にトップ
   コートの再塗装が必要です。


  「塗膜防水の切取り検査 」

                                 
   手直し部を利用し、塗膜の切取りをして
   規定量の膜厚があるか検査をします。
   一般部はマックゲージで検査をします。


  「排水溝の塗膜防水 」

                                 
   廊下や階段室の排水溝モルタル防水の
   浮きや、クラックによる漏水も多々見られ
   ます。