事前調査内容・項目について
              
   建物劣化調査には専門知識や工具の必要なものもありますが、管理組合として
   目視による
建物劣化状況と、住民アンケートによる改善項目の把握が必要です。
        
 目視調査項目

  1)外壁塗膜の剥離     外壁塗装に剥離している所が無いかを調査、特にバルコニー
                天井や屋上の大庇軒裏、外壁クラック部は注意して下さい。

  2)外壁のクラック     外壁のクラックの有無、錆び汁の出ている線はクラックです。

  3)露筋や爆裂       コンクリートが部分的に欠落やヒビが入って浮いている箇所
                また、鉄筋が見えて錆びている部分の調査。

  4)共用廊下排水溝     防水モルタルの浮きやクラック有無の調査。

  5)鋼製建具の腐食     スチール製扉、手摺や各種配水管等の錆びや腐食状況の調査。

  6)タイルの剥離      部分的にタイルの剥がれている箇所の調査。

      
 アンケート調査項目

  1)室内への漏水      外壁から室内への漏水の有無、特に最上階の住居天井の
                漏水や染み跡やカビ等の調査。

  2)バルコニー天井の漏水  バルコニー天井の塗装の剥離、特に配水管ドレン廻りは
                注意して調査。

  3)スチール手摺の腐食   バルコニーのスチール手摺部材の錆びや腐食有無の調査。

  4)水道の圧力・赤水    築年数の古いマンションでは水道の圧力の低下(2ヶ所
                給水では水の出が悪い)や風呂の水が赤く感じる等の調査。

  5)排水管の流れ      台所、浴室、洗面所の排水の流れが悪くないかを調査。
   以上の項目は管理組合の参考資料として、分かる範囲内で調査をして下さい。
   アンケート調査は、住民に工事への参加意識と協力を得る手段として有効です。




 「外壁塗装材の浮き調査」
                         
  目視や双眼鏡を用いて塗装材の剥離や
  浮き状態の調査をし、図面に写し取り
  工事資料とします。


 「外壁躯体のクラック調査」
                         
  壁面や軒裏等の塗装面にクラックの有無
  の調査をして躯体のヒビ割れ状況の把握
  と発生場所を図面化します。


 「躯体の欠損状況の調査」
                         
  鉄筋腐食によるコンクリート欠落分の
  調査、特に水の廻りやすい所は入念に
  調査し図面化します。


 「屋上防水材の劣化や亀裂調査」
                         
  防水材の劣化、亀裂やシール切れ有無
  の調査を入念に行います。防水材劣化
  は建物に一番被害を及ぼします。


 「外壁部シーリング材の劣化調査」
                         
  外壁ジョイント目地やサッシ廻りの
  シーリング材の硬化現象やシール切れ
  の調査を行い、表面に弾性の無い場合
  には打替えます。


 「鋼製建具や金物の腐食調査」
                         
  スチール製品は発錆や腐食状況調査を
  行うと共に塗装材の劣化調査をします。
  指で擦ると白い粉が付くのは塗材の劣
  化によるチョーキング現象です。


 「コンクリート中性化の調査」
                         
  コンクリート中のアルカリ成分を調査
  して中性化の進行状況を調べます。
  中性化は内部鉄筋を腐食させ躯体強度
  の低下につながりっます。
  (コンクリート色部中性化)


 「塗装材の付着強度の調査」
                         
  表面に塗装されている塗材とコンクリー
  ト下地との付着力を調査し、旧塗材の上
  に重ね塗りが可能かを調べます。


 「タイル付着強度の調査」
                         
  タイルと躯体コンクリートの付着力を
  調べ、全体の浮き状態を予測します。


 「タイル浮き状態の調査」
                     
  タイルの浮き状態をパールハンマーで
  調査し、浮き部はピンニングとエポキシ
  樹脂の注入により再固定します。


 「塗膜防水材の磨耗状況の調査」
                         
  バルコニー床等の塗装防水材の厚さを
  計り、再塗装の膜厚や補修方法を検討
  します。


 「給水管内の腐食調査」
                          
  VLP管(ビニールライニング)による
  配管の場合には、管内腐食による漏水や
  赤水の原因となり更新や延命工事が必要
  となります。


 「給水管サンプリング調査」
                         
  エルボジョイント部切断、サンプリング
  をして現況の閉塞率をしらべます。


 「排水管の管内腐食調査」
                   
  汚水や雑排水管も管内腐食により漏水が
  発生して来ます。腐食の進行している排
  水管も更新工事が必要となります。